アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 ダイ役・種﨑敦美さん×バラン役・速水 奨さんの父子竜対談掲載のVジャンプ2月特大号は本日発売!!

本日発売のVジャンプ2月特大号では種﨑敦美さん×速水奨さん対談を掲載中です! 今回は誌面未公開カットとあわせてお届けします!

――『ダイの大冒険』アニメ本編でついに父子竜共闘が実現しました。ダイとバランを演じたお2人に、ご感想を伺えればと思います。


速水 以前のインタビューでも話させていただいたのですが、最初の話数のころのダイって幼さと可愛さとか弱さがある、普通の子どもだったと思います。
それから冒険に旅立って、短い時間のなかでものすごくさまざまな経験を積んでいき、ちょっと目を離していた隙に、息子よすごく成長したなと感じます。
もちろん物語が進むにつれ、ダイが成長していくストーリーなのだからそう見えるのも当然なのですが、やっぱり演じている役者さんの心のありようがすごくくっきりと明確に、声なのですけれど見えてくるんですよ。
共演して改めて、冒険を通じていろんな過程を経て、実際に収録も1年間が過ぎ、ダイも成長してきたんだなと実感しました。

――前回(Vジャンプ2021年6月号)のインタビューでも速水さんはダイの成長のお話をされていて、そこからさらに成長を感じられたのですね。
速水 僕自身が種﨑さんにすごく馴染んだ、というほうが近いのかもしれません。親子を演じているという自覚が増したというか、ダイに対する愛情もすごく増したということもあるのだと思います。

――そんな種﨑さんは、バラン、そして速水さんに対する心境の変化というものはあったのでしょうか。
種﨑 いろいろな場でお話させていただいているのですが、ダイ役に決まったときに1番に浮かんだのがバランとの壮大な親子喧嘩の場面なんです。
そのシーンの収録が終わった後から、ダイだけでなく私の中でも、バランと速水さんの存在がどんどん大きくなっていきました。
物語はその親子喧嘩を経てからの共闘、そしてバランの死と進んでいきますが…ついに、このシーンを演じるときが来てしまったんだなという思いでいました。
第56話「受け継がれる心」の収録ではダイでなく種﨑が、私が泣きすぎて収録にならないかもしれない…!と思い、もう家で泣けるだけ泣いて収録に臨んだほどでした。(笑)
収録では、バランが最強の竜の騎士であること、そして優しくも厳しいダイの父親であるということを速水さんのおかげでたくさん感じることができました。速水さんから受け取ったセリフに応えることで、この回は演じきれたんじゃないかなと思っています。

――まさに「受け継がれる心」のやりとりがあったと。
速水 やはりコロナ禍で、キャスト同士が一緒に収録できないというケースが多い中で、きっちりと一緒に録れたというのは大きいと思います。これは絶対に別の収録ではダメだった。本当に、絆だったり呼吸だったりをしっかりと認識しながら、まったくブレーキを踏むことなく演技ができたと思います。

――アニメを拝見していて、複雑な感情を描く1つ1つのシーンで声優さんのセリフの重みを感じるのですが、収録時の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。
速水 実際の収録はテストと本番のほぼ2回で進めるのですが、普通はテスト中にどうしようかとだいたい探り合うんです。
でも『ダイの大冒険』の収録では、最初から種﨑さんが本気で来るから、こちらも中途半端にはできない。テストからグンとギアを上げてやっているから、本番はその上をいけるというのがあるのだと思います。
それは決して無理をしているのではなく、セリフのテンションだったり熱量だったりをお互いが引き出している。それらがシーンのなかでピタッとはまっていくと、ダイはバランにこう思っているんだなというのが僕にも明確に伝わってきて、それに対してバランはこんな感じで返すのかなというのが見えてくるというか。家で台本を読んでいる段階では、見えてこないこともずいぶんあるんです。

――実際にやり取りを行うことで見えてくるものがあるわけですね。
速水 僕も息子がいますから、息子に対しての想いってどんなだっただろうとか、台本を読みながら改めて、お父さんってどんなだろうかとか考えながら演じていますね。

――『ダイの大冒険』という作品で、優れていると感じられる点はありますでしょうか。
速水 『ダイ』のような、少年に向けた冒険ものの作品で成長を描いていくものって、大人の感覚で成長とはこういうものだからこうしなさい…というようなストーリーにしていたら、子どもの心は動かないですよね。
その点『ダイ』はものすごく丁寧にストーリーや世界観を描いているので、大人もしっかり感動できる。
みんなが嘘のない心を積み重ねているというか、そこがすごく演じていても観ていても清々しい作品だなと思いますね。
種﨑 仲間との絆や冒険が根幹にあるお話であるのはもちろんですが、ダイをはじめ、ポップやマァム、ヒュンケルも。それぞれ親子の絆がしっかりと描かれているのも印象的です。
なかでもダイとバランの親子は竜の騎士という特別な存在ではあるものの、ちゃんと普通の親子でもある。『ダイの大冒険』という作品「だからこそ」のお話でありながらもこんなにも感情移入できるのは、やはり普通の親子だからなんだろうな…という、本当にすごい作品です。

――父子竜とハドラーとの決戦を演じられたときに、感じたことを伺えますでしょうか。
速水 普通の状態だったらバランにはかなわないのだろうけれども、バーンに気に入ってもらおうと一生懸命になっていたあのときのハドラーには、けな気さを感じていました。
バーンに忠誠をつくしてきたというのに、まさか体に爆発物をしかけられているとは…。
種﨑 ハドラー自身は正々堂々とダイたちに挑戦してきているのに、本人の知らぬところで全然正々堂々じゃないというのが…もう不憫すぎて見ていられなかったです。
速水 このバランとハドラーが戦うシーンって、セリフ回しも含め、僕の中では時代劇っぽいなと感じていました。
つくしていたバーンに裏切られて、自分の存在意義は何だったんだという関(智一)くんの演技もすごく面白かったし、良かったですね。さすが関くんと思いながら、僕もスタジオの中でニヤニヤしてしまいました。ますますハドラーが好きになったシーンですね。

――種﨑さんはいかがでしたでしょうか。


種﨑 バランにハドラーが以前より強くなってることを分かってもらうために、自分が先陣を切って戦ったあと「だから言ったろ?」というセリフ。『ダイ好きTV』でも話させていただいたのですが、自分の想定以上に反抗期の息子みたいな言いかたになってしまいました。そんな風に、速水さんのバランの言葉を受け取って返すと、自分では想定していなかったものが出てくるという事がたくさんありました。
そしてこれもまた『ダイ好きTV』で、豊永(利行)さんに「『受け継がれる心』の収録時、バランの死を経たあとのダイのお芝居がとてもクリアで、種﨑さんよく切り替えられたな、すごいなと思いました」と仰っていただいたことがあって。褒めていただけたのが嬉しすぎてそのときはうまく理由を話せなかったのですが、そのあと落ち着いて考えたら答えは一つで。それは、バランが亡くなったあとにダイの心の中で語りかけてくるときの声が、とても厳しかったからなんです。
実際オンエアを見ると収録のときに感じたほどは厳しくなくてびっくりしたのですが、間違いなくそのときのダイには、収録時の私には、とても力強く、厳しく聞こえていました。だからああ、泣いてちゃダメだと気持ちがクリアにもなったし、どのセリフも心からスッと出てきたのを覚えています。
速水 そうですか。そんなに厳しかったかな。実はその前の戦いで、戦い終わって去っていくときに、スタッフから優しく言わないでくださいと指示をいただいていたんです。
子どもにはあえて厳しめの口調で言って鼓舞したほうがかえって反発して、エネルギーがわいてくる。それが優しさなのだと思いながら演じていました。
子どもに成長してほしいわけですからね。
種﨑 厳しいからこそ、優しいんですけどね。
速水 そんな厳しさを出せる大人ってすごいね。僕は全然厳しくないから(笑)。

――ダイがバーンに返り討ちにされたあと、聖母竜マザードラゴンとのシーンでバランが再び登場しますね。
速水 収録は、僕とマザードラゴン役の戸田(恵子)さんだけでやりました。
種﨑 私も収録風景は見学させていただきました。
速水 戸田さんは一番近い先輩で、僕がデビューしたときからお世話になっているので、一気に僕自身の気持ちが40年以上若返った感じがしました。
実は僕が声優デビューしたコンテストの審査員も、戸田さんだったんです。
先輩の前なので、いつも以上にちゃんとした芝居をしなければと、普段と少し違う感情がありましたね。普段はセリフが押しちゃっても平気なんですが、戸田さんに押しちゃった…とか。
種﨑 バランが、速水さんがそのように思う方、という時点でマザードラゴンの戸田さんはこれ以上ない最高のキャスティングだったということですね!

――バランはマザードラゴンに、ダイに力を与えるよう説得して去っていきました。
種﨑 バランが亡くなったあとにダイが自分の胸に手をあてて「父さんはここにいる」って言っていましたが、その言葉ってその前に「きっと」が入ると思うんです。なので、どれだけおまえならできる、仲間もいる、自分もソアラも一緒だって言われても無理だよ待ってよと心から思いました。1人にしないでって。このあたりを収録していた頃は12歳の彼の気持ちを想うだけで、小さな手や背中を見るだけでいつも泣きそうになってました。

――それでは一旦話を変えて、ダイとバラン以外で、お2人が好きなコンビを教えていただけますでしょうか。
速水 僕が好きなのは前野(智昭)くんと梶(裕貴)くん。もちろんクロコダインとヒュンケルもそうですが、いつもスタジオにいる2人のコンビが好きですね。
ほぼ同期だっていうし、2人で少年の目をしてしゃべっているんです。自然とクロコダインとヒュンケルの息も合っていって。
種﨑 アバン流究極奥義のときはちょうどその好きなコンビのお二人と、お三方で録られていましたね!
速水 ああそうそう、3人で録った。
種﨑 私は…ポップとヒュンケルの弟弟子・兄弟子コンビも良いし、超魔生物になる前のハドラーとザボエラの面白コンビも良い。
いっぱいありすぎて悩んでしまうのですが、私があえて挙げたいのは、クロコダインとバダックさん! 一番に浮かんだのがそのコンビです。
誰とコンビになってもマッチする素敵な2人ですが、そんな2人がいっしょにいるのが一番微笑ましいというか。
こんなところで1人で飲んじゃって…とバダックさんがクロコダインを気遣うところからこの名コンビは始まった気がしているのですが、その2人の始まりのシーンを彷彿とさせるかのようなアニメのエンディングの画がたまらないですし、そこにチウが加わっているのも最高で、毎週観るたびにありがとう…という気持ちになります。

――それでは最後に、今後のアニメ『ダイの大冒険』の見どころを伺えますでしょうか。


速水 それはもう種﨑さんしか語れない。
種﨑 では…代表して語らせていただきます。
ポップの成長やハドラーの行く末ももちろんですし、ここからは女性陣もより活躍していきますし、見どころしかないです!
バランとのシーンでいうと、先ほどの父さんは「きっと」ここにいるが「きっと」でなくなる瞬間など、アニメで初見で楽しまれている方にはぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
これまでみんなの期待を背負ってみんなのためにと戦っていたダイが、自分自身のために戦いに向かっていく姿やそれぞれのキャラクターに訪れるそれぞれの戦い、そして絆。本当に見どころしかなく、お子さんはもちろんなのですが、この先はこれまで以上に大人が楽しめる物語になっている気がします。

――より深い話になっていきますよね。
種﨑 衝撃的な展開や熱いドラマだらけですので…!この先もぜひ、一瞬も見逃さずにご覧いただきたいです!

――それでは最後に速水さんから、バランとして種﨑さんにエールを送っていただけますでしょうか。
速水 信じていますから。どんなときも、全身全霊をこめて、ダイを演じ通してください。応援しています。
種﨑 ありがとうございます。でもバランはココ(心の中)にいますからね。出番も…わりとすぐにあるかも…?
速水 なんと、本当ですか?
種﨑 どうでしょう(笑)。

――本日はありがとうございました!

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