アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 ヒュンケル役・梶裕貴さんとヒム役・三木眞一郎さん対談掲載のVジャンプ8月特大号は本日発売!!

本日発売のVジャンプ8月特大号では梶裕貴さん×三木眞一郎さん対談を掲載中です! 今回は本誌の一部を特別にお届けします!

――今回は、自らの拳でぶつかり合った戦士たちの声を担当されたお2人のお話を伺います! この戦いでヒムに銀髪が生える変化が起きましたが、三木さんにはどう映りましたでしょうか。

三木 ものすごく男の美学のようなものを感じましたね。ハドラーから直接毛根を分けられたわけではないですし、本人も無自覚ではありますが、何か受け渡されたものがあったということがそこに強く表れている。無責任な言いかたかもしれませんが、かっこいいなと思いましたね。それぞれが戦う理由において良い悪いというものはあるけれど、ハドラーの最期はそういった善悪では計れないものがありましたよね。自身のプライドもありますし。そういった中で、魂が伝承されたということが目に見える形で表現されたのは、すごく素敵だなと思いましたね。

――ヒムと戦ったヒュンケルを演じられた梶さんは、ここまで演じられた到達感のようなものはあったのでしょうか。

梶 人は生きている限り前に進んでいこうとする生き物であって、ヒュンケルもまさにそういう人なんだろうなと。ヒムやマキシマムとの戦いは、彼にとって“到達点”というわけではありませんが、明確にその変化が見えたエピソードだったなと感じています。今回、進化したヒムにヒュンケルが負けなかったのは、それこそ、これまでのドラマを通しての、彼の成長があったから。言ってみればヒュンケルとヒムは、形は違えど、どこか似ている部分がある2人だと僕は思うんです。心の在り方というか、いわゆる漢らしい部分とか。でも、その中で決定的に違ったのが「仲間」という存在の影響力で。もちろんヒムにも親衛騎団がいますが、どちらかと言うと彼らは「同じ目的を達成する宿命を背負ったユニット」なのかなと思うんです。自分の意志とは違うところで、はじめから仕組まれていた部分のある存在、というか。なので良くも悪くも、その宿命や因縁に囚われ続けていってしまうはずなんですよね、本当は。でも、その中でヒムだけが、ヒュンケルに気づかされていくんです。とはいえ、以前までのヒュンケルならば“仲間のために生きる”なんて考えは到底生まれてこなかったはず。では、なぜ彼は変われたのか? それは「生への執着などなかった彼に、自分の命を懸けてでも守りたい存在ができたこと」、そしてさらには「犠牲になる覚悟だけでなく、生きて、その存在のために道を作ってあげたいと思ったこと、思えたこと」が大きかったんだろうなと。それこそが、この作品においての「仲間」の定義なんだろうなとも思いますしね。きっと彼は「そんな存在に幸せに生きていってもらうためには、まず自分自身が生き残っていかなければならない」と思い始めたのでしょう。壮絶な人生を送ってきた彼にとって…それは本当に本当に大きな変化ですよね。長らく一緒に歩んできた者として、そんな変化と成長をとげてくれたヒュンケルのことが、とても誇らしいです。

――ヒュンケルとヒムの大舞台となった第78話から第80話の、収録時のエピソードを伺えますでしょうか。

梶 昨今の状況下にありながら、ありがたいことに一緒に収録させていただきましたね。

三木 マキシマム役の玄田哲章さんも一緒にね。

梶 僕からしたら、玄田さんも三木さんもレジェンド級の大先輩。とても光栄でしたし、お2人とも僕なんかのことを気にかけてくださって感謝しかありません。玄田さんは、三木さんがまだ若手だったころの話をよくされていて…勝手にですが、「こうして継承されていくんだな」なんて感じていました。

三木 スタジオ収録も、やりやすいほうがいいじゃないですか。梶くんも、大先輩の玄田さんと面識がないわけじゃないだろうけど、直接話そうとしたって入口が難しい。そこの間を会話しやすい程度に橋渡しして雰囲気を作るような、俺はそのためにも呼ばれているんだろうなとも感じています。そのうえで、マイク前で向き合う瞬間はしっかりと向き合えばいいんです。梶くんはハートがある役者さんなので、そこはまったく心配していません。ヒムとヒュンケルの成長が描かれましたが、そこに玄田さんのマキシマム。この作品のキャスティングの妙を感じます。

――なるほど、仕組まれていたかのような。

三木 親衛騎団は年齢の概念がない集団ではありますが、中堅の役者があてはめられている。アバンの使徒たちが、ある意味安心してぶつかっていける相手じゃないですか。そういったキャスティングが素晴らしい。

梶 僕らからしたら、間違いなく楽には勝てない相手。「なんとかして勝たなきゃ!」という感情が自然とはたらいて、それがうまく作用していたのかもしれないですね。

三木 そのうえで梶くんのヒュンケルってやっぱいいなって。これはお世辞じゃなく。キャスト全員揃っての収録ではなくなり、分散収録になってスタジオにいる時間が短くなって、話全体の流れが見えにくい中でも役としてのテンションが切れることなく、ハートもあるし。肉体は弱っているけど意志は強い、そういった流れの汲みかたがすごいと思いますね。それはセンスだけでどうにかなるものではないし、本人が見えないところで努力しているのが仕事ぶりで伝わってきて、そういった意味でもぶつかり合える、信頼できる後輩がいてくれるのはありがたいなと感じます。

梶 いやいや、恐縮です! 先輩にそんなふうに思っていただけるなんて、本当にありがたいです。三木さんとは以前、二人芝居の朗読劇でも、まさに“魂と魂のぶつかり合い”といったような役どころで掛け合いをさせていただいて。内容としては「僕の演じるキャラクターがさまざまな出会いや別れを通して感情を知っていき、失った肉体を取り戻していく」というようなものだったのですが…偶然にも、ヒムのドラマと重なるんですよね。あらためて、本当にすごいタイミングでご一緒させていただけたんだなと驚いています。

三木 僕はそういった、梶くんのような方とやっていきたいのはもちろんですし、僕ができることで相手が嫌じゃなかったら、お芝居に対するものすべてをぶつけていきたいなって。ぶつかった結果いらないものは切っていいし、必要だと思ったものは持っていけばいい。その覚悟がないとできない二人芝居でしたね。『ダイ』のお話に戻すと、みんなの想いを背負っているヒムがヒュンケルと戦ったことで心を開き、仲間になりましたよね。今は分散収録でやっているとはいえ、今まで会ったことのないキャストと会う機会ができて、ヒムの置かれた立場と一緒に歩んでいけてる感じがしています。いきなり「お前は12号だ」って言われても、うるせえなこの野郎!ってなるよ(笑)。

梶 チウ役の堀江瞬くんとも、スタジオでよく一緒になりますもんね(笑)。

――それでは最後に、読者のみなさまにメッセージをいただけますでしょうか。

梶 先ほどの話の延長みたいになってしまいますが、今こうして、三木さんと対談させていただいていることも、Vジャンプに載っていることも…子どものころの自分からしたら、本当に夢のような世界で。しかも『ダイ』のヒュンケル役として! あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。作品ファンのみなさん全員が同じ想いだと思いますが、今回のテレビシリーズで、ようやく物語のラストまで描いていただくことができ、本当に幸せです。まさか令和の時代になって、その夢が叶うとは! 同時に、今の子どもたちが一緒になってダイたちを応援してくれていることにも大きな喜びを感じています。やはりこの作品には、時代を問わない素晴らしさがあるのでしょうね。物語を通してヒュンケルやヒムが学び成長していったように、視聴者のみなさんの中にも何かが残って、これからの人生のプラスになっていってくれたら何よりだなと思います。ぜひ最後まで、彼らの戦いの行く末を見守ってください!

――ありがとうございます。三木さんはいかがでしょうか。

三木 これからのヒュンケルのパリピっぷりにご期待ください!(笑)

梶 いやいや! …でもまあ、たしかに僕もちょっと見てみたい気もしますけども…(笑)。

三木 冗談はさておき…。人と会うことが制限されたりした時期もあった中で、みんなが一丸となって目標に向かっていくという作品が世に出ていくというのは、タイミング的にすごくいいことなんじゃないかなと思います。物語の中で導いてくれた大人たちが去っていったり、出会いと別れを重ねて強くなっていくというのは、今の作品の風潮とは違うと思うんですよね。王道の作品が奇跡的なタイミングでアニメになったからこそ、今のキャストがそろったんだと思います。これが5年前でも5年後でも、梶くんはキャスト陣にいなかったかもしれない。それはもちろん僕も同じだけれどね。今の世の中と作品が持っている時代性というもの、そしてキャストメンバーも含めて、今だから実現できたものではないかと思います。このミラクルをぜひ最後までご覧になっていただければと思います。何か感じるものがあれば、それはすぐではなくてもあとあと響いてくるかもしれません。終わった後も本棚の隅に置いていただけるような作品になると思いますので、最後まで楽しみに観ていただけるとうれしいです。

――本日はありがとうございました!

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