アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 ポップ役・豊永利行さんとマァム役・小松未可子さん対談掲載のVジャンプ10月特大号は本日発売!!

本日発売のVジャンプ10月特大号では豊永利行さん×小松未可子さん対談を掲載中です! 今回は本誌の一部と未公開インタビューを特別にお届けします!

――いよいよ『ダイ』の物語もクライマックスを迎えていきます。これまでを振り返り、物語と収録時のエピソードなどを伺えますでしょうか。

小松 どこかをピックアップするというには、あまりにも長い年月になりましたね(笑)。

豊永 昨今、ここまで放送期間が長い作品に出演させてもらう機会は少ないですね。もうすぐ2年…。作中のダイたちの冒険は3か月ほどですけどね。

小松 あんなに濃密な旅だし、ダイたちは長い年月に感じているかもしれませんね。ポップなんて、3か月で精神的に大きく成長していますし。

豊永 15歳で中高生ぐらいの歳だもんね。僕はあんなに成長できる自信ない(笑)。

小松 人間関係が一度途切れてはまたつながって、また新しい縁にめぐりあったりと、たった3か月の中で、さまざまな出会いと別れをくり返して成長してきましたよね。マァムの目線でいえば、武闘家になるために一旦離脱したりとか。あのシーンのポップの「おれはおまえを…す…」

豊永 「すばらしい仲間だと思ってんだからさ!」(笑)。

小松 (笑)。あの告白未遂をしたポップが本当に切なくて泣けて、一生忘れられないシーンになりました。ポップはやっぱり最初のころは精神的に未熟で、すぐ逃げることを考えてしまう面があったと思います。それがちょうど成長の中間地点というか、ようやく一歩踏みだせた部分が垣間見えたシーンで、想いを伝えたいけどもっと強くならなきゃという、揺れ動く心の流れがダイレクトに突き刺さってきましたね。

豊永 分散収録が多くなっている中、絡みの多いキャストは一緒に収録させていただけているのもありがたいですね。やっぱりその場に相手がいてくださったほうが感情も乗せてやりやすいですから。

小松 しかも、ポップと2人のシーンは映像の尺を気にしないでいいですと言っていただけることが多いんです。それぞれのキャラクターのやりやすい間の取りかたで、そのときの流れでやらせていただけて。

――放送開始の初期より、役に対する熟練度が増していったような感覚があるのでしょうか。

豊永 ポップとマァムだと、コミカルなシーンも多いんですよね。アドリブも含めて一緒に録れるのがありがたかったです。

小松 別々のアフレコになってしまっても、たぶんここでポップが入ってくるから…というような、おたがいがこうするんじゃないかなという理解度のようなものは、濃くなっているのではと思います。キャラクターが精神的に成長しているのはもちろんなんですが、そういった関係性の理解度が役者間でも共有できている感覚はありますね。

――先ほどの「す…」の後に本当に言いたかったポップの言葉が、第70話「勝利か消滅か」でマァムに告げられましたね。

豊永 最初に言おうとしたのが第21話ですから、ずいぶんかかりましたね(笑)。ポップは心情の浮き沈みの激しいキャラクターで、マンガで読んでいる際はそこまで違和感はなかったのですが、演じるために整理しようとしたらと改めて感情のふり幅の大きさに気づかされました。でもマァムのほうこそ、最初の無垢で何も気づいていない感じから、ポップの告白に正直に応えるまでに行きつく心情の変化が難しいんじゃないかなとも僕は思いました。

小松 いわゆる慈愛の心を持っていても、それを恋愛に置き換えて、自分から与える愛であるというのに初めて気づいてしまった。それでどうしたらいいのかわからなくて、ヒュンケルのことを好きになることもあるかもっていうすごく正直な答えかたになったのだと思います。メルルやアルビナスのおかげもあって、整理できてきた感じがしますね。2人がいなければこの答えにはたどり着かなかったんだと思います。

豊永 ポップも、さまざまな人を見て自分の知らなかったことに気づかされたって全部言ってくれる、マァムの誠実なところに惚れたんでしょうね。今のお話を聞いて、改めて収録を掛け合いで録れてよかったなと思います。

小松 この回って、テストなしじゃなかったかな。

豊永 そうそう。もう回すので自由にやってみてくださいって感じで、一発本番。その瞬間に出てきたものを生かすという演出で収録してました。

小松 すごく緊張感がありましたね。告白未遂のときは何回かやった記憶はあるんですが、この回はあまりリテイクをした覚えがないですね。『ダイ』ではそういった収録はあまりない気がします。

豊永 通常は大事なシーンほどテストをやって細かく調整していくのですが、『ダイ』という長い作品において、キャラクターをより深く理解したうえでできることなのかなと思います。ぜひ見返していただけたらうれしいですね。

――いまだバーンとの決戦の最中ですが、彼らの未来はどのような関係になると想像されますか。

豊永 ポップとマァムの関係性って、マァムの両親のロカとレイラに似ているなと感じるんですよね。2人がくっついたら、ロカとレイラみたいな間柄になるのかなと想像することはありますね。ロカが気圧されてしまう感じとか、ポップと重なる部分を感じます。ただポップたちが違うのは、周りにメルルやヒュンケル、エイミさんと、いろいろな人たちがいるところ。環境を含めると、どうなるのかなって思いますね。

小松 マァムにとっても、ヒュンケルに対して決着をつけないといけないですからね。ヒュンケル自身もどんな行動に出るのかわからないですし。

豊永 原作を最後まで読んだ身で言うと、もうはやく両先生続きを描いてくださいって思いますね。彼らのその後の物語を。どういう形にしろ、それぞれが納得できる形になったらいいなって思います。

小松 誰を選ぶにしても、みんながどこかで結びついていたらいいなとは思いますよね。

――それでは最後に、読者のみなさまにメッセージをいただけますでしょうか。

小松 マァムはこれまでも幾度か身体を乗っ取られていますが、またもや試練の最中ですね。クライマックスに向け、マァムにもうひと山見せ場が来るかなとは思っております。どう挑んでいこうかなと、私自身も考えをめぐらせているところです。

豊永 黒マァム、とんでもない方が声をあてていらっしゃいます。そちらも見どころですよ!

小松 収録をご一緒することはかなわなかったのですが、後からセリフを聞かせていただきました。それを意識しながら、ザボエラに乗っ取られたときとは違うアプローチで私も演じさせていただきました。物語はこの後もさらにいろいろなことが立て続けに起こっていくので、ぜひ片時も見逃さずご覧いただければと思います。

豊永 僕も原作の大ファンの1人として、毎週放送で思い出のシーンや名場面がアニメとして具現化されていることに感激しています。オンエアされるごとに、自分の中でどんどんピースが埋まっていくような感覚ですね。そのピースも、いよいよあといくつかというところまで迫ってきました。物語の最後の最後まで、大事なピースがギッシリ詰まっているのが『ダイ』のすごいところだと思います。演じる側としても、主人公のダイを、大魔道士として、アバンの使徒として支えるべく、アフレコ現場にも「すべてのアフレコを種﨑さんのためにせよ」という気持ちで臨んでおります。ポップはポップらしくダイを最後まで支えていければと思いますので、みなさんも思いを感じ取りながら勇者を応援していただければうれしいなと思います。

――ありがとうございました!

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